こんにちは、ペペ(@pepe2blog )です。
病気によって外見が「普通」じゃない少年オギーの物語
「ワンダー 君は太陽」
家族や友人の温かさや、どうしようもない苦悩に触れて涙した方も多いんじゃないでしょうか。(僕は4回観て4回号泣しました)
そんな「ワンダー 君は太陽」には、原作があります。
この記事は、映画「ワンダー 君は太陽」を観て
と思っている人のための記事です。
この記事の内容
- 「ワンダー 君は太陽」の原作
- 原作を読むべき3つの理由
- 映画と原作との違い
- 原作には続編がある?
この記事は「ワンダー 君は太陽」を鑑賞した方を対象に書いているため、映画のネタバレも含まれています。
まだ観ていない人は、アマプラかU-NEXTで鑑賞可能です。
「ワンダー 君は太陽」の原作本
タイトル | Wonder / ワンダー |
---|---|
原作者 | R.J.パラシオ |
ページ数 | 421ページ |
販売部数 | 全世界1,500万部以上 |
初版 | 2012年2月14日(英語版) 2015年7月20日(日本語版) |
定価 | 1,500円(税抜) |
原作者はR.J.パラシオ。
アートディレクター、デザイナーで、本書が長編デビュー作です。
そしてこの話は、彼女の実体験をもとに書かれています。詳しくはこの記事で解説しています。
関連記事 【ワンダー 君は太陽】どこまで実話なの?オギーの病気は実在する?【徹底解説】
2012年に発売されてから人気を集め、世界累計1,500万部以上売れているベストセラー作品ですが、日本ではあまり有名ではないんですよね。
映画でも、ポスターなどのテーマカラーは水色ですが、これは本のテーマカラーとそろえているみたいです。
原作本の表紙や、章ごとの挿絵がおしゃれで素敵。
発売されているのはハード版のみで、横から見るとこんな感じ。
厚みが意外とあるように見えますが、児童書なので読みやすいです。
「ハリーポッターと賢者の石」のハードカバーが464ページで、この本は421ページなので、子供も大人もサクッと読めちゃいます。
値段は定価1,500円。
「ハリーポッター」は2,000円超えなので、ハードカバーにしては買いやすい値段です。
僕は、原作があることを知って、速攻購入しましたが、本当に買って良かったです。
登場人物の語り口調で進行するし、内容も分かりやすい、何より道徳的な内容なので、お子さんにも是非読んで欲しいです。
「ワンダー 君は太陽」の原作本を読むべき3つの理由
「ワンダー 君は太陽」の原作本は、映画を観て感動した人には絶対に読んで欲しい作品です。
その理由は3つ!
- 映画との違いを楽しめる
- 登場人物の気持ちをさらに理解できる
- ファンとして優越感に浸れる
映画にはない、原作「ワンダー」の魅力を紹介していきます。
本の内容のネタバレは、ほとんどしていないので、未読の方も安心してください。
①映画との違いを楽しめる
ストーリーに関しては、時系列や会話の内容などに違いはありますが、大筋は同じです。
「オギー」「ヴィア」「ジャックウィル」「ミランダ」のように、いろんなキャラクターからの視点で話が進行するのも同じです。
ですが、原作の方が登場人物が多く、映画では語られなかったクラスメートや幼馴染の名前がガンガン出てきます。
また、映画にはなかったストーリーもあるので、要チェック!
詳細は、映画と原作の違いでネタバレありで解説しているので、読んでみてください。
②登場人物の気持ちが理解できる
原作を読む1番のメリットは「登場人物の気持ちを、より理解できること」でしょう。
映画「ワンダー 君は太陽」では、それぞれの視点から話が進んだり、エピソードのチョイスがうまいので、かなり感情移入して観ることはできました。
しかし、映画ではどうしても2時間でストーリーをまとめるために、細かい心理描写や背景を削らないといけません。
対して、原作では一人一人がどう考えて行動したのかや、その時の背景などがより細かく描写されています。
特にヴィアの細かい心理描写は、原作の方が圧倒的に多いです。
ヴィアがオギーに演劇発表会にきてほしくないといったときの微妙な心の動きや、自分の気持ちの変化に戸惑う姿は、原作でしか知ることができません。
③ファンとして優越感にひたれる
地味にうれしいメリットがこれ。
原作読んでいるから偉いとかではないですが、ぶっちゃけ優越感にはひたれます。
「ハリー・ポッター」を好きって言ってる人が、原作を全く読んだことないって言ってたら「アレ?」って感じますよね。
原作「ワンダー」は、日本ではあまり有名ではないため、原作を読んだことが無い人はかなり多いです。
なので原作を読んでるだけで、ファンとしてちょっと優越感を感じられちゃいますよ。
せっかく原作があると知ったんですから、読んでファンとして一歩先に進んじゃいましょう。
「ワンダー 君は太陽」の原作本/映画の違い(ネタバレあり)
ここからは「ワンダー 君は太陽」の原作本と映画の違いについて解説していきます。
一部、原作の内容のネタバレもあるので、まったくネタバレなしで読みたい方はご遠慮ください。
とはいえ、大筋は映画と一緒なので、原作の魅力紹介といった感じですね。
視点が二人増える
映画では、「オギー」「ヴィア」「ジャックウィル」「ミランダ」の4人からの視点で話が進行していましたが、原作では「サマー」と「ジャスティン」が増えて6人の視点から描かれます。
「サマー」は、映画では仲が良いクラスメートとして登場しましたが、原作ではクラスメートではないものの、オギーをいつも支えてくれる超重要人物です。
ヴィアやジャックは、オギーを傷つけるシーンがありますが、サマーだけは1度もオギーを傷つけず、かといって特別扱いもしない最高の友人として描かれています。
もう一人の「ジャスティン」はヴィアの彼氏ですね。
学校やミランダとの仲がうまくいかなくて悩んでいたヴィアを救ってくれたジャスティンですが、映画では、その心理描写までは描かれていませんでした。
実は家庭環境が複雑だったり、初対面でやはりオギーに驚いていたり、ジャックウィルとの絡みまであります。
オリヴィアを”ヴィア”と呼ぶのは家族だけのはずなのに、ミランダがヴィアと呼ぶのを聞いて嫉妬したりするメンヘラ可愛い一面も見られます。
この2人の視点が追加されることで、映画よりもさらにみんな様々な問題を抱えていて「普通じゃない」一面を持っていることが伝わってきます。
幼馴染や親戚、クラスメートなど登場人物が増える
視点が増えるだけじゃなく、登場人物も増えます。
- 幼馴染のクリストファー
- クラスメートのリードと二人のマックス
- ジャックの弟とベビーシッター
- ヴィアの友達・エラ
- ミセスG
他にも映画では名前が出てこなかったキャラクターがしっかりと名前付きで登場します。
野外学習で仲直りするジュリアンの子分にも、ヘンリーとマイルズという名前があります。
また、ジャックには弟がいます。
小さいころにベビーシッター・ベロニカとジャックと弟が、アイスクリーム屋でオギーと出会い、弟はオギーの顔を見て泣いてしまうという話が描かれていますが、これは原作者R.J.パラシオの実体験がもとになっています。
ここでのベビーシッター・ベロニカのセリフは、そのまま原作者パラシオが当時感じた気持ちなんでしょう。
さらっと読んでしまいそうな部分ですが、とても重要なエピソードです。
このエピソードがきっかけで原作「ワンダー」が誕生しました。詳しくはこちらの記事で解説しています。
関連記事 【ワンダー 君は太陽】どこまで実話なの?オギーの病気は実在する?【徹底解説】
他にも、ヴィアとミランダにはもう一人エラという友人がいたり、学校の先生やミセスGと言う女性が登場したりと、原作だけの登場人物がいます。
宇宙飛行士のヘルメットは被っていない
映画「ワンダー 君は太陽」と言えば、宇宙飛行士のヘルメットをしたオギーの姿がトレードマーク。
実際に、学校に行くまではオギーは宇宙飛行士のヘルメットをかぶっています。
しかし原作では、「2年間毎日かぶっていた」という話は出てきますが、ヘルメット自体は被りません。
しかし、ヘルメット=顔を隠すことができる安心感という考え方は踏襲されていて、この話のキーワードになっていることは間違いないです。
課外活動のシーンはただのハッピーエンドではない
オギーがクラスメートに受け入れられ、人気者になるきっかけとなるのが、課外活動のエピソードです。
他校の生徒にオギーがバカにされ、ジャックウィルと、ジュリアンの子分であったヘンリーやマイルズたちが一緒になって立ち向かうことで友情が芽生える感動的なシーン。
もちろん原作でもほぼ同じように描かれていますが、決定的に異なるのがオギーの心情です。
野外活動での出来事を母親イザベルに話すシーンでオギーはこう言います。
ママ、ぼくはこれからずっと、ああいう意地悪なヤツのことを心配しなきゃならないの?大きくなっても、いつもこうなのかな?
引用)「ワンダー」P375より
学校では徐々になじんできて忘れかけていましたが、他人が自分をどう見て、どう扱うのかを再認識したオギーは、将来ずっとこんなことが続くのかという不安を感じます。
そして、この不安は解消されることなく物語は終わるんです。
手放しでオギーが人気者になって終了する映画よりも、よりこの病気を抱えた人の人生に寄り添った描写がされた印象的なシーンでした。
映画は短く感動的にまとめるために、細かい心理描写や、オギーは好きだけど見た目には違和感をぬぐえないといった二律背反の感情をほぼカットしています。
その点、原作ではそういった複雑な感情や、必ずしもハッピーエンドだけじゃないストーリーになっているんです。
両親やトゥシュマン校長の話は映画の方が濃い
「ワンダー 君は太陽」には、小説の映画化にありがちな
- 話がぶつ切りで違和感
- 帳尻合わせのための謎のオリジナルストーリー
- 複数のキャラクターをまとめた変なキャラ
のような残念な脚色がほぼありません。
かといって、つなぎ合わせてただけでもなく、オリジナルの要素もしっかりと詰まっています。
なかでも、「トゥシュマン校長」と「父親ネート・プルマン」は映画でこそ輝いたキャラクターでしょう。
まずはトゥシュマン校長。
映画でも重要な感動シーンと言えば、オギーを侮辱したジュリアンをジャックが殴ってします事件。
映画ではオギーの外見に差別的な発言をするジュリアンの母親に対し、「オギーは見た目を変えられません。我々の見る目を変えなければ」と言う名言を残します。
しかし、このシーンは原作にはありません。原作では、Eメールのやり取りでこの場面が展開します。
もちろん、このメールも重要ではあるんですが、それを超名シーンにしたのは間違いなく映画ならではの演出でしょう。
関連記事 ワンダー 君は太陽【名言10選】明日使えて心に刺さる
映画で輝いたキャラクターと言えば、父親のネート・プルマン。
原作でも、オギーの味方である優しい父親であることは間違いないんですが、イライラを表に出したり、時には妻のイザベラと口論になるシーンもあります。
しかし映画では、こどもに優しく、ユーモアのセンスがあり、妻にはちょっぴり弱い。そんな理想の父親像として描かれてるんです。
オギーの初登校の時に、オギーを励ますシーンが最高に好きなんですが、このシーンは映画のオリジナルです。
このように、原作・映画どちらも感動的なシーンがあるので、是非両方楽しむことをお勧めします。
「ワンダー 君は太陽」の原作本には続きがある
映画「ワンダー 君は太陽」では、最後まで相いれない存在であったクラスメートのジュリアン。
しかし映画の中では、実は親がクソバカ人と違うことを許容できない人種であり、ジュリアンもまた被害者であるような結末を迎えています。
ラストは、学校に残りたいと言いつつも、親の意向で転校させられてしまいました。
原作では、この辺の細かい描写が無いのですが、実はこの辺の話は原作の続編(番外編)で描かれています。
「もうひとつのワンダー」は、ワンダーに登場する
- 幼馴染クリストファー
- いじめっ子ジュリアン
- 同級生のシャーロット
の3人の視点から描かれた番外編的なストーリーです。
実は、「ワンダー」の人気に伴い、「ジュリアンのようになるな」という運動が起こり始めてしまいました。
そこで作者のパラシオは、一面的に捉えられて悪者になってしまったジュリアンの心情や背景を描く「もうひとつのワンダー」を執筆しました。
原作でも、映画でもほとんど描かれなかったこの3人の視点から、新たな「ワンダー」の世界を見ることができます。
「ワンダー 君は太陽」の原作本はファンなら必読!
「ワンダー 君は太陽」の原作本は、映画とほぼ同じストーリーながら、映画だけじゃ語りつくせなかった一人一人の心理描写を細かく知ることができる裏話できな楽しみ方もできます。
映画を観ていて感じた違和感や、知りたかった背景など、「ワンダー 君は太陽」を観て感動した人には必読の1冊です。
原作を読んでからまた映画を見直すと、新たな発見があるかもしれません。
今回は以上です。