こんにちは、ペペ(@pepe2blog )です。
全世界で200万部売れた青春小説を映画化した名作
ウォールフラワー
友達がおらず、スクールカースト最下位の主人公チャーリーが、パトリックやサムと出会って、友情や恋を知っていく、まさに青春ストーリー!
その中で出てくるキーワードが、映画のタイトルにもなっている「ウォールフラワー」です。
この記事ではこんな疑問にお答えします。
映画内では主人公チャーリーのことを、パトリックが「ウォールフラワー」だと言いますが、そこにはいろいろな意味が隠されているんです。
この記事の内容
- 「ウォールフラワー」の意味は?
- 「ウォールフラワー」は陰キャの成り上がりストーリーじゃない
- 「ウォールフラワー」の意味から見るスクールカースト
この記事は「ウォールフラワー」を鑑賞した方を対象に書いているため、映画のネタバレも含まれています。
まだ観ていない人は、「ウォールフラワー」無料で鑑賞するたった1つの方法で観てから読むことをおすすめします。
「ウォールフラワー」の意味は?
まず映画「ウォールフラワー」の原題についてみていきましょう。
The Perks of Being a Wallflower
「Perks」は、「特権、特典」といった意味。
「Being~」は、「~であること」という意味なので、直訳すると
ウォールフラワーの特権
となります。
この映画の邦題にもなっている「ウォールフラワー」には大きく2つの意味があります。
- みんなの輪に入れない「壁の花」
- じっとモノを観察する「壁の花」
普通に映画を観ていると、1つ目の意味しか気づけないかもしれないんですが、本当に大切なのは2つ目の意味なんです。
説明していきますね!
みんなの輪に入れない「壁の花」
この映画の宣伝や、感想、ブログの記事を読むと、「みんなの輪に入れずに、壁際で動かずにいるからウォールフラワー」と書かれていることが多いです。
もちろんそれが主な意味でしょう。
実際、原作小説の裏に書いてある紹介文にもこのように書いてあります。
末っ子の彼(チャーリー)はパーティで部屋の隅から動かない「ウォールフラワー(壁の花)のよう・・・。」
「ウォールフラワー」原作小説(集英社文庫)より
もちろん意味的にはこれであってるんですが、違和感ありませんか?
これだけだと「ウォールフラワー」がただのネガティブな言葉に聴こえちゃうんですよ。
ウォールフラワーってのは陰キャで、友達のいないやつ。だからこそウォールフラワーから抜け出そう!みたいな。
でもさっきも言ったように、原題は「ウォールフラワーの特権」
つまり、ウォールフラワーにしかできないことがあるはずなんです。
観察し、理解する「壁の花」
もう一つのポジティブな「ウォールフラワー」の意味が「観察し、理解すること」
映画では、パトリックが
「観察し、理解する、ウォールフラワーだ」
と言っています。
つまり、壁際にいてただじっと周囲を観察し、相手や周りのことを理解することができるのがウォールフラワー(チャーリー)だと言っているんです。
そんなチャーリーの素晴らしさに気づいたからこそ、パトリックやサムは、チャーリーと友人になりました。
これら2つが「ウォールフラワー」というタイトルの意味です。
ただ、このタイトルの意味をもっとよく理解するために、もう少し深く考察してみようと思います。
原作小説の内容も多少絡んでくるので、読んだことが無い方は【ウォールフラワー】原作小説を読むべき3つの理由【200万部売れてる】で原作小説を紹介しているので読んでみてください。
正直、「ウォールフラワー」を完全に理解するには原作小説を読むのは必須です。
「ウォールフラワー」は陰キャの成り上がりストーリーじゃない
そもそもこの映画で勘違いしてはいけないのは、陰キャがイケイケ集団に成り上がる話ではないということ。
学校で友達もいなく、スクールカーストの最下位にいたチャーリーに比べると、友人がいて、楽しそうに学校生活を送るサムやパトリックは、一見すると学校の人気者のようですよね。
でも実際は、登場人物のほとんどはスクールカースト(学校内の序列)が最下位の人たちばかりなんです。
ウォールフラワーのスクールカースト
上位のグループにいるのは、パトリックと恋仲だったフットボール選手のブラッドくらいで、あとのほとんどは最下位ですね。
ホームパーティのシーンで、チャーリーを仲間に歓迎するときに、サムが「はみだし者の島へようこそ」と言っています。
はみだし者というのは、スクールカースト最下位のことです。
「ウォールフラワー」で大切なのはそこなんです。
普通に考えたら、スクールカースト最下位の主人公が、すごい友人やすごい才能を手にして、スクールカーストを登っていくストーリーの方がありがちだと思いますが、この映画のメッセージは別のところにあります。
スクールカーストの上位じゃなくても、学校生活は楽しいし、素敵な人生がある。
そういう意味では、学校の中心になれないサムやチャーリー、メアリー・エリザベスやアリスなどの友人たちもまた「ウォールフラワー」であるんです。
「ウォールフラワー」だからこそ、素敵な友人に出会い、自分をさらけ出して、最高の青春を送れる。これこそが「The Perks of Being a Wallflower / 壁の花の特権」だというメッセージが込められてるんじゃないでしょうか。
だからこそ、原作小説はアメリカ中の多くのスクールカーストに悩む高校生に勇気を与え、200万部を超える大ベストセラーになりました。
「ウォールフラワー」の意味からみるスクールカースト
このウォールフラワーという作品には、アメリカのハイスクールが持つ”スクールカースト”と呼ばれるシステムが深く関係しています。
アメリカの青春ドラマに必ず出てくるのが、スクールカースト。
オタクっぽい主人公が、フットボール部やバスケ部に、廊下で突き飛ばされたりするシーンってよくありますよね?
スクールカーストとは学校内の序列のことで、ざっくり説明すると、体育会系が強くてオタクが弱い立場にあると思ってください。
アメリカに住んだ経験のある僕の友人の話を聞くと、程度の差はあれど、どのハイスクールにもこのスクールカーストはあるようです。
日本でいうとヤンキーやギャルのような感じ(古い?)ですが、アメリカはスポーツマンがスクールカーストの上位になんですね。
スクールカースト上位「ジョックス」
カースト上位は、”ジョックス”と呼ばれるフットボール部やバスケ部など体育会系の選手たち。
女性だとチアリーディング部もジョックスに属します。
まあ、いわゆる勝ち組ですね。
スクールカーストの中間
花形スポーツマンではないけれど、下位にも属さない中間層。
実際は多くの生徒がここに属します。
ただ、映画やドラマではあんまり注目されないですね笑
スクールカースト下位「ナード」
文科系の趣味を持つ学生は”ナード”と呼ばれ、スクールカーストの最下位に属します。
日本で言うと”オタク”に近い言葉です。
〇〇オタクのように
パンク・ゴシック好きの”ゴス”
ガリ勉の”ブレイン”
パソコンオタクの”ギーク”
など様々な呼び方があります。
文学に興味があったチャーリーや、映画が趣味のアリス、ガリ勉のメアリー・エリザベスはここに属します。
サムは男性経験が原因でカースト下位にいるようでしたが、音楽の好きであることも起因しているのかもしれません。
「ゲイ」や「レズ」もスクールカーストでは下位
”ナード”と同様に、同姓愛者である”ゲイ”や”レズ”もスクールカーストでは下位に属します。
パトリックはここにあたりますね。
ブラッドは”ジョックス”でありながら”ゲイ“だったので、自分の立場を守るために同姓愛者であることを隠していました。
「ウォールフラワー」というタイトルには深い意味が隠されていた
「ウォールフラワー」の意味について解説してきました。
「ウォールフラワー」というタイトルには、「パーティのときに壁際でたたずんでいる」といった意味があります。
しかしそれだけじゃなく、俯瞰して観察し、考えることができるといったポジティブな意味もあるんです。
さらに、もっと広い意味ではスクールカースト最下位のチャーリー、パトリック、サムたち全員を指し、「ウォールフラワー=はみ出し者」だからこそ、素敵な仲間に出会って最高の学生生活を送ることができたという意味もあります。
この映画の監督であるスティーブン・チョボスキーは、他にも学校の「はみだし者」が登場する映画「ワンダー 君は太陽」を製作しています。
病気で外見が”普通”じゃない少年オギーが、学校でのいじめを受けながらも家族や友人と成長していく物語で、ウォールフラワーよりもシンプルに泣けます。
興味がある方は、「ワンダー 君は太陽」を無料で観る方法で紹介していますので、読んでみてください。5分で観始められます。
今回は以上です。