こんにちは、ペペ(@pepe2blog )です。
韓国ドラマは昔から有名ですが、最近は韓国映画がアツいですね!
そのきっかけを生み出したのが、第92回アカデミー賞作品賞を受賞した「パラサイト 半地下の家族」
今回は、そんな「パラサイト 半地下の家族」を生み出したポン・ジュノ監督が手掛けたサスペンス映画「母なる証明」について、ネタバレ感想・考察をしていきます。
キーパーソンである「ジョンパル」についても触れているので、ぜひ最後までお読みください。
- 殺人で逮捕された息子、その無実を証明しようとする母の物語
- 犯人はいったい誰?
- ジョンパルの正体とは?
- あのダンスなんだったの?
序盤は、マザコン男と子離れできない母親が気持ち悪くてぶっちゃけしんどかったんですが、半分過ぎたあたりから、みるみる引き込まれ….
狂気に満ちたラスト(ダンスも)が印象的な作品でした。
以降は、本作に関する重大なネタバレを含みます。未鑑賞の方は十分ご承知おきください。
それでは、本作の概要・あらすじ・感想を書いていきます。
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『母なる証明ネタバレ感想』基本情報
日本公開日 | 2009年10月2日 |
原題 | 마더(Mother) |
上映時間 | 129分 |
監督 | ポン・ジュノ |
評価 | Filmarks Score:☆3.8 |
この記事を読んでいる方は、「パラサイト 半地下の家族」を観てポン・ジュノ監督に興味を持った方が多いんじゃないでしょうか。
「パラサイト 半地下の家族」は、作品賞・脚本賞・監督賞・国際長編映画賞の4冠達成したことで一躍脚光を浴びました。
本作は、その10年前である2009年に制作されたサスペンス映画です。
ウォン・ビンとか懐かしい・・。
『母なる証明ネタバレ感想』あらすじ
引用)YouTubeより
早くに夫を亡くして以来、一人息子のトジュン(ウォンビン)と静かに暮らすヘジャ(キム・ヘジャ)。そんなある日、街で殺人事件が起こり、もの静かなトジュンが第一容疑者に。事件の解決を急ぐ警察がトジュンを犯人と決めつけ、無能な弁護人も頼りにならない中、ヘジャは真犯人を捜し出し、息子の無実を証明しようとする。
引用)Yahoo!映画より
『母なる証明ネタバレ感想』制作陣・キャスト
「母なる証明」を生み出したポン・ジュノ監督や、最高のキャスト陣の紹介をどうぞ。
監督 ポン・ジュノ
今や世界で最も有名な韓国の映画監督となったポン・ジュノ監督。
韓国の社会風刺や反米など、メッセージ性の強い作品が多く、韓国の社会問題を調べると何倍も楽しむことができます。
日本の是枝監督とも親交が深く、互いに影響を受けているとのこと。
ポン・ジュノ監督はこれまでも数々の話題作を世に出しています。
- 殺人の追憶 (2003)
- グエムル 漢江の怪物 (2006)
- 母なる証明 (2008)
- スノーピアサー (2013)
- オクジャ (2017)
さらに詳しくポン・ジュノ監督作品を知りたい方や、無料で観たい方のための記事がこちらです。
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母親 (キム・ヘジャ)
息子を溺愛する本作の主人公。
主人公なのに名前が一回も出てきません。気づきました?
あくまで「トジュンの母」であることを強調するためなのでしょう。
たまに女の部分を見せたり、いきなり踊りだしたりするので、映画の途中までは正直ちょっとキツい。
映画の出演は多くありませんが、韓国のドラマに多く出演し、1980年から2002年までMBCで放送されたドラマ「田園日記」での役柄から、「国民の母」と呼ばれている人気女優です。
トジュン (ウォンビン)
障害を持ち、どこかいつも上の空。
ものをすぐに忘れてしまうが、母親に教わったこめかみを刺激する方法で、数年前の記憶を思い出したり・・。
「バカ」と言われるとブチ切れます。
日本でも韓流ブームとともに人気を博したウォンビン。
それを感じさせない、合理性のない不快感や、どこかずっと中を観ている不思議さなど、圧巻の演技力でした。
ジンテ (チン・グ)
トジュンとつるむ町のチンピラ。
ちょっと引いちゃうくらい、暴力振るう。こわい。
ミナ (チョン・ウヒ)
トジュンに気のあるそぶりだったが、物語中盤ではジンテとイチャコラ。
最後にはトジュンの前でも、「ジンテの車に毎日乗ってる」宣言の魔性の女。この映画、こんな子しか出てこない。
けどかわいい。
『母なる証明』ネタバレ感想と考察
「母なる証明」をネタバレありで感想を書いていきます。
面白かったんですが、映画の雰囲気というかキャラクターのクセが凄過ぎて、慣れるまで時間かかりました笑
感想:気持ち悪さと爽快感が入り混じるイヤミス
鑑賞中は、トジュンと母親の歪んだ共依存の関係や、周囲の人間の理不尽さに妙な気持ちの悪さを感じます。
息子に依存し過ぎた母親に対して終始、嫌悪感を感じながら鑑賞していました(僕がトジュンに年齢が近い男性であるせいかもしれません)
しかし、物語終盤に訪れる大どんでん返し。
母親が、頑張って真犯人を追い詰める話かと思っていた僕は、度肝を抜かれました。
そして、母親の狂気と罪悪感を拭い去れないままエンドロールへ・・とても嫌な気持ちになると同時に、急速なストーリー展開と振り切れた母親の行動に爽快感も感じる作品でした。
日本で言うところの「イヤミス」を読んだ後に近い感覚ですね。
※イヤミス:読んでて嫌な気持ちになるミステリーのこと。「告白」湊かなえ著が有名でしょうか。映画化もされています。
真犯人は結局誰?
廃品回収のおじさんが犯人かと思ったら、トジュンが犯人とわかり、しかし犯人として、ジョンパルが逮捕されたのでトジュンは釈放….
なんだか混乱しちゃった方のために、事件の真相を解説します。
- アジョンは廃品回収のおじさんと援助交際するつもりだった
- 約束の廃屋の前でトジュンに声をかけられた
- 援助交際への負い目があったアジョンは、トジュンを「バカ」と罵る
- 「バカ」に切れたトジュンは岩を投げてアジョンを殺害
- 混乱したトジュンはアジョンを屋上へ
- 事件のショックで真犯人トジュンは記憶を失う
廃品回収のおじさんは、母親には「あの晩、俺はたまたまそこにいたんだ」と言っています。
しかし実際は、ビニールシートと代金の米まで準備して、アジョンと援助交際する気満々でした。
そして、約束の廃屋に到着するアジョン。
しかし、そこへ入る直前、トジュンに声をかけられます。
酔っぱらったトジュンは、そのアジョンに「男は嫌い?」と質問。
これが、生活のために援助交際を続けていた、アジョンの怒りに触れてしまいます。
近くにあった岩を投げつけて、「私に話しかけないで、バカ野郎」と言い放ちました。
しかしトジュンにとって「バカ」はNGワード。
投げつけられた岩を投げ返し、アジョンを殺害してしまいました。
さらに、屋上まで運び手すりにぶら下げます。
この理由については、トジュン本人が(犯人の気持ちを予想して)「血が出たからみんなに知らせるために屋上に運んだのでは」と語っています。
このように比較的単純な事件であるはずなのに、この映画が複雑化している原因は「トジュンが人を殺したことを本当に覚えていない」ことです。
トジュンは殺害したことを覚えていない?
この映画の序盤で描かれていた、トジュンとアジョンのやり取り(暗闇から岩が飛んできて、トジュンは不信がってその場を立ち去る)が、事件後のトジュンの記憶です。
このシーンの主観はトジュンであるのに、事実と異なる映像である、というのはちょっと反則な気もします。
しかし、この描写がトジュンのついた嘘ではなく、本当にそう記憶しているということを表しているのでしょう。
この記憶力のなさは、彼の持つ障害に起因します。
しかし、5歳の時に母親に殺されそうになったことを突然思い出したことから、今後自分がアジョンを殺害したことや、母親が廃品回収のおじさんを殺害した犯人であることを思い出すことは十分に考えられますね。
逮捕されたジョンパルって誰だっけ?
では、真犯人の代わりに逮捕されたジョンパルとはいったいどういった人物なんでしょうか。
ジョンパルが逮捕されたとき「え・・ジョンパルって誰だっけ?」となった人もいるのでは?(僕はちょっと忘れてました。)
話では何度も出てきますが、登場するのは最後の面会シーンのみなので、細かい情報を忘れちゃいますよね。
- 祈祷院に住んでいる
- アジョンの彼氏と言われていた
- 盗んだ米でアジョンと援助交際していた
- 障害を持っている
- 親はいない
まず祈祷院とは、韓国にあるキリスト教の施設のことです。
その中には障害者宿泊施設もあり、ジョンパルはそこに住んでいたと思われます。
母親が聞き込みをした子供たちの情報から、アジョンの彼氏であると言われていたことから、少なくともアジョンとジョンパルには親密な関係があったことが予想されます。
そして、アジョンには特別な対象がいたことを示唆する描写がありました。
- 「携帯を捨てなくちゃ」と言っていた
- 携帯の写真を現像しようとしていた
このことから、援助交際に嫌気がさしてすべてを捨て去りたい、と思う一方で、その中で消したくない思い出があったと考えられます。
ということは、「写真を現像したいほど大切な相手」=「ジョンパル」と考えられます。
アジョンと親密な関係があったジョンパルは、祈祷院を脱走し、トゲ山で捕まった際に、彼女の血がついていたという理由で逮捕されました。
この時の血は、彼女が頻繁に出していた鼻血で間違いないでしょう。
この誤認逮捕に、本人がどれほど抵抗したかは不明ですが、ゴルフボールを証拠に逮捕するような警察ですから、血痕が付いていたら言い逃れの仕様がありません。
結果、ジョンパルは無実の罪で逮捕されてしまいます。
ジョンパル逮捕に母親が泣いた理由は?
母親がジョンパルに会って号泣したのは、息子と同じ障害を持つジョンパルだが、彼には母親がいないことへの同情、そしてそんなジョンパルに自分たちの罪をかぶせることへの罪悪感が原因でしょう。
どう考えても悪いのはトジュンですからね。
途中まで、正義のために息子の無実を証明する強い母親であったのに、最後の最後で、自分たちさえ良ければ他人の不幸はいとわない最低の母親と化す衝撃的な場面です。
ラストシーンで母親はすべてを忘れた?
最後のシーン、母親はたびたび登場していた「嫌な記憶を忘れさせる太もものツボ」を針で刺し、その後バスの中で踊りだします。
全てを忘れたかのように振舞っていますが、彼女の記憶は消されたのでしょうか。
これは人によって考察がわかれるようですが、僕の意見は
「記憶が消えてるはずないでしょ」
ですね。
彼女は罪悪感から逃れるためのトリガーとして針を利用し、最後の場面でそれを忘れるかのように踊り狂っています。
ですが、針刺したくらいで記憶が消えるはずもなく、現実逃避でしょう。
しかし、農薬を飲ませたときのようにトジュンが数年後に自分の犯行や、母親の犯行を思い出したら・・・
この物語にハッピーエンドは無さそうです。
母親のダンスの意味は?
本作の衝撃シーンと言えば、冒頭の母親のダンスシーン。
「いったい何を見せられているんだ?」と思いながら数分間過ごしたでしょう。
彼女が踊るシーンは2回あります。
- 映画冒頭(実際は廃品回収のおじさん殺害後)
- 映画ラスト
映画冒頭のダンスは、廃品回収のおじさんを殺害した直後につながります。
どちらも自身の犯した罪(殺人と責任転嫁)を忘れるための現実逃避として描かれています。
張り巡らされた伏線を回収
突然現れた男の子は?
弁護士と飲み会のシーンで一瞬だけ映る男の子と栄養ドリンクのシーン。観たときは「誰だ?」と違和感がありました。
このシーンの意味が分かるのはトジュンが5歳の時の記憶を思い出してからです。
そう、母親が栄養ドリンクに農薬を混ぜてトジュンを殺そうとしたときの映像が、酒とともにフラッシュバックしていたんです。
廃品回収のおじさんは2度登場している?
母親が廃品回収のおじさんに会いに行くシーン。その前に2度も登場しています。
- アジョン殺人の現場に野次馬が集まるシーン
- 母親が廃品から傘を買うシーン
一つ目に関しては、顔がぼやけていたので気づけませんが、二つ目のシーンでは顔がはっきりと映っています。
トジュンの目撃証言のシーンで、気づけましたか?(僕は全く気づきませんでした。)
おまけ:「バカ」って韓国語でなんていうの?
この映画のキーワード「バカ」
トジュンはこの言葉を言われると切れてしまいますが、韓国語ではなんていうのでしょうか。
바보(pabo):【意味】バカ・あほ
なんか聞いたことあると思ったら、クイズヘキサゴンから誕生したおバカアイドルユニット(木下優樹菜、スザンヌ、里田まい)のユニット名「Pabo」と同じ。
もちろんこのユニットの由来はこの「바보(pabo)」 です。
翻訳の通り、日本で言う「バカ」や「あほ」に近い言葉です。
バカと言われると切れるなんて、「バック・トゥ・ザ・フューチャーⅡ」のマーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)みたいですね。
彼の場合は「Chicken(臆病者)」が引き金ですが。
『母なる証明ネタバレ感想』まとめ
母の愛が、息子の無実を証明する話かと思いきや、
「母の愛が狂気へと変わり、取り返しのない事態へと転落していく」ストーリーである本作。
序盤・中盤・終盤で、母親やトジュン、アジョンへの印象がガラッと変わる不思議な感覚の映画でした。
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