サスペンス・ミステリー

【パラサイト 半地下の家族】息子が敬語を使う理由は?ネタバレ感想【疑問を解説】

こんにちは、ペペです。

今回は【パラサイト 半地下の家族】についての感想・考察・解説をしていきます。

この映画のネタバレなし見どころは以下の通り。

  • 映画の背景「貧富の差」について解説
  • 半地下?台湾カステラ?気になるキーワードを解説
  • 衝撃の結末はなぜ起きた?を考察

 

そんな本作の評価は・・(☆1~10の10段階評価)

評価:
☆1~3   なんじゃこれ
☆4~6   まあまあ。人によるかも
☆7~9   面白い!人にお勧めできる
☆10    人生を変えた最高の映画

 

内容は単純明快。

貧困層の家族が、富裕層の家族の家に徐々に入り込み、パラサイト(寄生)していくお話。

しかし、その背景には韓国の抱える貧富の差を風刺するシーンや、細かい伏線、ブラックユーモアにあふれる作品です。

 

それでは、本作の概要・あらすじ・感想を書いていきます。

以降は、本作に関する重大なネタバレを含みます。未鑑賞の方は十分ご承知おきください。

 

「パラサイト 半地下の家族」基本情報

「パラサイト 半地下の家族」基本情報
日本公開日 2020年1月10日
原題 기생충(parasite)
上演時間 132分
配給 ビターズ・エンド
受賞 カンヌ映画祭2019「カンヌ・パルムドール」受賞
第92回アカデミー賞作品賞・脚本賞・監督賞・国際映画賞受賞

2019年のカンヌ映画祭で最高賞である「カンヌ・パルムドール」を受賞。2018年の「万引き家族」での受賞が記憶に新しいですね。

さらに2020年2月10日の「第92回アカデミー賞」では

  • 作品賞
  • 脚本賞
  • 監督賞
  • 国際映画賞

の4冠を達成しました。

英語以外の映画が作品賞を受賞するのは史上初。歴史的作品となりました。

 

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「パラサイト 半地下の家族」 あらすじ

引用)YouTube 「シネマトゥデイ」より

【あらすじ】

過去に度々事業に失敗、計画性も仕事もないが楽天的な父キム・ギテク。そんな甲斐性なしの夫に強くあたる母チュンスク。大学受験に落ち続け、若さも能力も持て余している息子ギウ。美大を目指すが上手くいかず、予備校に通うお金もない娘ギジョン… しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、“ 半地下住宅”で 暮らす貧しい4人家族だ。

“半地下”の家は、暮らしにくい。窓を開ければ、路上で散布される消毒剤が入ってくる。電波が悪い。Wi-Fiも弱い。水圧が低いからトイレが家の一番高い位置に鎮座している。家族全員、ただただ“普通の暮らし”がしたい。

「僕の代わりに家庭教師をしないか?」受験経験は豊富だが学歴のないギウは、ある時、エリート大学生の友人から留学中の代打を頼まれる。“受験のプロ”のギウが向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった——。

パク一家の心を掴んだギウは、続いて妹のギジョンを家庭教師として紹介する。更に、妹のギジョンはある仕掛けをしていき…“半地下住宅”で暮らすキム一家と、“ 高台の豪邸”で暮らすパク一家。この相反する2つの家族が交差した先に、想像を遥かに超える衝撃の光景が広がっていく——。


 

制作・キャスト

監督  :ポン・ジュノ

第92回アカデミー賞で4冠を達成しで大注目となった監督です。

代表作である「グエムル 漢江の怪物」や「母なる証明」で有名ですが、日本ではこれまであまり知名度は高くありませんでした。

キャスト

続いて個性豊かなキャストの紹介です。

キム・ギテク (ソン・ガンホ)

キム家のお父さん。運転手やらカステラ事業やら、職を転々としてきた。

ダメおやじな雰囲気とは裏腹に、道を良く知っていたり、会話の駆け引きができたりと、割とちゃんとした人。

 

キム・チュンスク (チャン・ヘジン)

キム家のお母さん。元ハンマー投げの選手でメダリスト。多分めっちゃ強い。

前半はガサツなBBAですが、家政婦に雇われたとたん小奇麗な夫人に。身だしなみって大事です。

 

キム・ギウ (チェ・ウシク)

キム家の長男。本作の主人公的存在だが、いまいち影が薄い。受験に4回失敗しているが、英語の能力は高い。女子高生との結婚を夢見るちょっとやばい一面もある。

 

キム・ギジョン (パク・ソダム)

キム家の長女。デザインの才能があり、美大を目指す。

すっぴんで薄いメイクの役柄だったパク・ソダムさんですが、安藤サクラ感あって個人的に気になる女優さん。

 

パク・ドンイク イ・ソンギュン

IT企業の社長であり、パク家の父親。いつも冷静で何考えているかわからない。

 

パク・ヨンギョ (チョ・ヨジュン

パク家のマダム。めっちゃきれいだけど、感情的で考え無し、家事もできない。ダメな金持ちの奥さん像を全面に押し出したような存在。けどかわいい。

パンティ事件では、状況証拠的にギジョンが怪しすぎるのに疑いもしないおバカ。でもかわいい。

 

パク・ダヘ (チョン・ジソ)

パク家の長女。家庭教師に次々に手を出す魔性の女、17歳。

 

パク・ダソン (チョン・ヒョンジュン)

パク家の長男。キム家の臭いに気づく以外は、特に何もしない。

元家政婦のムングァンとメル友。

 

ムングァン (イ・ジョンウン)

パク家の元家政婦。北朝鮮の報道ものまねがめっちゃうまい。

 

グンセ (パク・ミョンフン)

ムングァンの旦那。

パク・ドンイク大好きおじさん。

 

「パラサイト 半地下の家族」 感想・解説・考察(ネタバレあり)

それではネタバレありで疑問点・ポイントを解説・考察しつつ感想を書いていきます。

半地下住居は本当にあるのか

今作の邦題にもなっている「半地下」。

虫は出るし、窓の目の前で立ちションされるし、雨が降ったら水没したりと、劣悪な環境の住居として描かれていますが、韓国には実際にたくさんある住居なんです。

その理由は、北朝鮮との戦争に備えて1970年に改正された建築法

防空壕の役目を果たすように、半地下に家を建てるように、という法改正が行われ、映画のような半地下の住居が増えていきます。

この時増えた半地下住居は、価格が安いため、多くの低所得層が住んでいます。

 

住居の位置=所得

こうした韓国の住宅事情も含めて、本作「パラサイト 半地下の家族」では、

住居の位置=所得

として描かれています。

  • 高台の豪邸 :パク家
  • 半地下の家 :キム家
  • 地下室   :グンセ

 

住居の単純な位置以外にも、この映画では特に階段や高さを意識した構図が多いです。

パク家の中だと、2階と1階と地下室

地下倉庫に降りるのは家政婦だけで、ヨンギョは「とってきて」と指示をするだけなんです。

また、パク家から逃げ出し、家に戻るキム家の3人。この時も、常に坂道を下っています。さっきまでパク家で楽しく酒を飲んでいたのに、あっという間に元の生活に戻される絶望感を、下り坂であらわしている象徴的なシーンだと思います。

戻ったら家は水没してますし・・笑

 

キム家の4人は優秀なのに仕事がない理由

引用)映画「パラサイト 半地下の家族」公式HPより

映画序盤、次々とパク家での仕事を得ていくキム家の四人を観ていて思ったんです。

ぺぺ
ぺぺ
ちょっと簡単に話が進み過ぎじゃない?

 

なんてったって、長男ギウは英語に関しては抜群の知識を持っていて、採用面接時に突然言われて行った授業でも、文句なし!金持ちマダム・ヨンギョと、その娘・ダヘにも気に入られて、即採用。

長女のギジョンも、あれよあれよという間にヨンギョに気に入られて採用。ギジョンに至っては、もともとなかった絵画の先生として雇われます。

父親ギテクと母親チュンスクも、ドライバーと家政婦を始めるや否や、特に問題もなく気に入られます。

 

半地下で生活する水準の家族が、こんな簡単に就職できるスキルを持ってるっておかしくない?と思ったんですが、逆なんです。

こんなスキルを持っている人が就職できない現状がおかしいんです。

 

近年の韓国は、20代の若者の約1/5が就職していない状態であり、社会問題となっています。

財閥系の大手企業に就職できなければ裕福な生活は難しく、どんなに高学歴でもスキルがあっても仕事に就くことが難しいというのが現状です。

そうした現状を風刺した、あえての優秀さなのか!と感心しました。

 

息子が父親に敬語を使う理由は?

映画を観ているときにちょっと違和感を感じました。

字幕の訳によるものかな?と思いましたが、調べてみました。

この、息子から父親への敬語は、韓国が儒教の国であることが理由であるようです。

儒教は、目上の人や年長者を強く敬う思想であるため、父親にも敬語で接するのが一般的です。

近年では、核家族化等により、その考え方も徐々に変化してきているようですが、それでも日本よりはるかに、年長者への敬意を重んじる傾向があるようです。

 

キム家・パク家の幸福度

引用)映画「パラサイト 半地下の家族」公式HPより

対象的に描かれている2つの家族。どっちが幸せなんでしょうか。

普通に考えれば、高台の豪邸に住むパク家の方が、半地下に住むキム家よりも幸福でしょう。

 

しかし、この映画の大きな特徴は、貧困層であるキム家が仲良し家族であるということじゃないでしょうか。

昨年パルム・ドール受賞した「万引き家族」でも貧困家庭をテーマに描かれておりますが、僕としては、「なんだかんだ言っても他人」感がぬぐえませんでした。

対して、この映画は口の悪さから荒っぽい感じはありますが、雨で水没する家から奥さんのメダルを優先的に持って逃げようとするギテクや、怒ったふりをして子供たちを驚かして笑い合う夫婦や、何気なく映ったコンドーム等、家族関係が良好であることが伺えます。

 

対して、パク家は一見円満な家族であるものの、子供たちが何を考えているか全くわからないんです。

娘のダヘは、親に隠れて家庭教師を誘惑。また、両親と会話するシーンがほとんどありません

息子のダソンは、天才的な雰囲気を演じているだけの普通の子供。しかし両親はそれを全く理解しておらず、過度に期待をかけている節があります。

今後、平穏な生活を送れていたとしても、何かしらのほころびが生まれていたのではないでしょうか。

 

そう考えると結果論ではありますが、最初のキム家が最も幸福であったとも考えられるかもしれません。

 

台湾カステラってなんの話?

ギテクが昔働いていたという、台湾カステラ事業。

ぺぺ
ぺぺ
カステラ屋さんってそんなメジャーな仕事なの?

 

実は、韓国では2016~2017年頃に「台湾カステラ」が大流行。日本で言うタピオカブームに近い感じでしょうか。

この際、ブームに乗って多くの台湾カステラ店が乱立します。

しかし、大量の食品油や添加物、そして消費期限切れの生クリームを使用している、というTV局のドキュメンタリー番組が放送されます。その真偽は不明ですが、この報道によってあっという間にブームは収束。

残ったのは多くの元・カステラ店店長たち。

ギテクはこうした失業者の一人だったんですね。

 

ギテクがドンイクを刺した理由とは

これは「貧富の差」を意識したためだと思います。

すでに述べたように、当初のキム家は貧困の中でも仲が良く、幸せな家庭であったと考えれます。

しかし、それは自分たちよりも上(パク家)と、下(ムングァン・グンセ)と出会うことで相対的なものに変わります。

 

パク家と出会うことで、自分たちの「臭い」や「生活」といった差を目の当たりにし、だんだんと違和感を感じ始めるギテク。

その感情は、家が水没した翌日にピークを迎えます。

自分たち貧困層は、雨にすべてを奪われて避難所生活。

キム家はその雨を、PM2.5をなくして空をきれいにしてくれた素晴らしいもの、と捉えています。

雨によって自分の家がなくなったのに、誕生日パーティーのために休日出勤させられて、「昨日雨降って良かったー!」って言われたらまともでいられなくなる気持ちもわかりますね。

 

そのあまりにも大きな隔たりを感じていたさなかの、グンセの襲撃。

ギジョンを刺されたことで、自分の不幸な境遇を憂う気持ちが爆発して、ドンイクを刺したのだと思います。

 

 

この映画のその後は?

まずギウが豪邸を購入する件。

名言はされていませんが、もちろん購入できていないでしょう。

前科持ちの彼がまじめに仕事に取り組んだとして、あの豪邸を購入できるのは数十年、いや数百年かかるでしょう。

最後の幸せなシーンは、かなわぬ夢として描かれていると考えられます。

 

そして、パク家。

父親を奪われ、残された3人は引っ越したようです。

気になるのは、負傷したギウを抱えてわき目も降らずに逃げ出したダヘですね。

あの状況で、自分の家族の方を確認もせずにギウを連れて逃げる、という行動をとったダヘはいったいどんな成長をするのでしょうか。

この家族に明るい未来が待っているとは思えません。

 

「パラサイト 半地下の家族」まとめ

半地下の家、能力があっても就職できない人々、生活するためのパラサイト(寄生)。

それぞれが自分たちの生活のために動き、その結果起こった悲劇。

韓国の社会事情や、背景を知ったうえで観ると、大きく印象も変わると思います。

是非もう一度鑑賞してみて下さい。

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映画大好きな20代後半のサラリーマンです。 新作映画、VOD鑑賞の感想を中心に、映画に関する記事を書いています。 僕のブログをきっかけに、映画を観たくなったり、映画がもっと好きになるお手伝いができたらいいな、と思ってます。

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