こんにちは、ペペ(@pepe2blog )です。
2020年12月25日に公開された映画「ソウルフル・ワールド」について感想・考察を書いていきます・
ジャズが自分の生まれてきた理由(きらめき)だと信じる中年オヤジ・ジョー。
自己肯定感低すぎで周囲の話をシャットダウンなソウル・22番。
この2人が人間界とソウルの世界を旅して得たものとは…?というお話
という疑問に関しても考察しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
※以降はネタバレを含みます。
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映画『ソウルフル・ワールド』作品概要(ネタバレなし)
日本公開日 | 2020年12月25日 |
配信元 | Disney+(ディズニープラス) |
原題 | soul |
上映時間 | 101分 |
監督 | ピート・ドクター |
評価 | Rotten Tomatoes Tomatometer: 96% Audience Score: 88% Filmarks Score:☆4.1 |
日本では、2020年夏に劇場公開を予定していましたが、コロナの影響で延期に。
2020年に配信のみで公開された「ムーラン」の感触をみて「お、これ配信でもいけんな?」となったことにより、結局Disney+での配信のみとなりました。
賛否が分かれて、評判もいまいちだった「ムーラン」と比べて、「ソウルフル・ワールド」の評価はめっちゃ高いです。
理由は、大人の心をえぐり取って、自分を見つめなおせる映画だから。
全ての大人が、心の奥底で感じている小さな違和感が映像化されてるんですよ。
おそらく、子供の評価はそんなに高くないと思います…笑
監督はピートドクター。
- モンスターズ・インク
- カールじいさんの空飛ぶ家
- インサイド・ヘッド
の監督や、その他多くのピクサー作品の製作にかかわってます。
映画『ソウルフル・ワールド』あらすじ
ニューヨークに住むジョー・ガードナーは、ジャズ・ミュージシャンを夢見る音楽教師。
ある日、ついに憧れのジャズ・クラブで演奏するチャンスを手に入れた直後に、運悪くマンホールへ落下してしまう。彼が迷いこんだのはソウル(─魂─)たちが暮らす世界で、彼自身もソウルの姿に…。そこは、ソウルたちが生まれる前に、どんな性格や興味を持つかを決める場所。でも、22番と呼ばれるソウルだけは、人間の世界が大嫌いで、何の興味も見つけられないまま、もう何百年もこの世界にいた。
まるで人生の迷子のように生きる目的をみつけられない22番と、夢を叶えるために何としても地上に戻りたいジョー。正反対の二人の出会いは、奇跡に満ちた冒険の始まりだった…。
ユニークな感情がキャラクターとなって活躍する「インサイド・ヘッド」や、おもちゃが動き出す「トイ・ストーリー」に比べて、あまりに渋すぎる設定。
夢が叶う直前に死んでしまったジョー。
生まれることを拒み続ける22番。
ですが、ジョーと22番が地上に戻ったことから2人の価値観に変化が起こります…。
映画『ソウルフル・ワールド』登場人物&声優
ソウルフル・ワールドの登場人物を紹介していきます。
僕は基本、洋画は字幕派なんですが、アニメーションは吹替でも鑑賞します。
ということで、日本語吹き替え声優も簡単に。
ジョー・ガードナー(ジェイミーフォックス/浜野健太)
ジャズの才能があるのに、いつも夢まであと一歩のところでうまくいかない主人公。
映画だからいいけど、自分の周りにいたらやっぱり将来を心配しちゃうよね。
突然の死をきっかけに、人生のきらめきについて考えることになります。
声優はジェイミー・フォックス。
ジョーのイメージとは違うかな?と思ったけど、違和感全くなし。
大学で音楽を専攻していたので、ジョーと繋がるところもあるかも。
日本語声優は浜野健太。
在日ファンクでボーカルや、星野健と一緒にSAKEROCKでトロンボーンやったり、他にも多数の音楽活動で活躍するミュージシャン兼俳優。
実際に音楽で夢をつかんだ人だし、声の感じも合っててかなり良かったです。
22番(ティナ・フェイ/川栄李奈)
何千年間も生まれる前の状態で、最後のきらめきを埋めずにいるソウル。
「22番」の名前の由来については後ほど考察しています。
声優はティナ・フェイ。
相手をイラつかせるおばさんボイスとしての抜擢が、はたして名誉なのか不名誉なのか..。
日本語声優は川栄李奈。
こういうとこだよ。日本の声優選びが嫌なの。
個人的には元AKBヲタなので川栄好きなんですが、22番には全く合わない。
ドリー(室井滋)呼んで来い。
ムーンウィンド(グラハム・ノートン/福田転球)
ソウルの世界観をわかりづらくしているのがこいつ。
ムーンウィンドは死んでいるわけではなく、トランス(ゾーン)状態に入ることでソウルの世界に入り込み、なおかつ意識を保っているというすごい存在。
本人はニューヨークの街角で一心不乱に看板を回しています。
テリー (レイチェル・ハウス/梅田貴公美)
死んだソウルをカウントする会計係。
今回の悪役なんですが、割といいやつだし単純。
人間界に来るとき、人間になるのかと思ったらそのままで笑いました。
歌う男 (瑛人)
ニューヨークの地下鉄で歌っていた男性、覚えてます?
日本語吹き替えを観ているとき、やたら美声だな~と思っていたら瑛人でした。
「香水」のイメージ強すぎますが、めっちゃ歌うまかったです。
映画『ソウルフル・ワールド』22番の意味は?ネタバレ感想
「ソウルフル・ワールド」の感想を書いていきます。ネタバレありなのでご注意を。
結論、かなり面白かったです。
ピクサー映画って、最後泣かせにかかってくるシーンがあるんですけど、「ソウルフル・ワールド」は、泣けないけど少しだけ自分を好きになれる、そんな映画でした。
・”大人が楽しめる”ピクサー映画
・【大人向け】何者にもなれなかったあなたへ
・【子供向け】偉業を成し遂げなくたって生まれた意味はある
・22番は「22番染色体」を意味している?
”大人が楽しめる” ピクサー映画
ピクサー映画って「子供向け映画」ってイメージの人が多いと思うんですが、「ソウルフル・ワールド」はもはや子供向けではないです。
「ピクサー=子供向け」の概念をぶっ壊した映画ですね。
だって、主人公が非常勤音楽講師のおっさんな子供向け映画なんて聞いたことある?笑
しかも夢はジャズ・ミュージシャン。
子供は置いてきぼり確定です。
でも「セッション」しかり「ラ・ラ・ランド」しかり、大人はジャズ映画が好きなんですよ。
音楽のことはわからない、ジャズなんて普段聴かない。
それでも、ジャズが持つ音楽の力は感じられるし、“ジャズってる” セリフやシーンにグッときちゃうんですよね。
SNSやブログで「ソウルフル・ワールド」の感想を読みましたが、総じて「大人向け」の映画だという感想。
では、なぜ大人向けの映画だと言われるのか?
【大人向け】何者にもなれなかったあなたへ
この映画が大人向けなのは、働く大人の心にぶっ刺さるセリフが多いから。
- ジャズ・ミュージシャンになれない非常勤講師のジョー
- 獣医になりたかった床屋のデズ
- 他人をけなして自分をごまかすポール
似ているようで、この3人は全く異なる今を生きてるんです。
ジョーは、夢を諦めきれずにやりたくない仕事をしながらジャズを続けています。
デズは、海軍を除隊後に夢だった獣医を目指そうとしますが、娘が病気になってしまいます。仕事に就かないといけないので、学費が安い床屋になる道を選びました。
ポールは、ジョーのことをバカにしていますが、自分が何者にもなれないことをごまかして生きています。
普通の映画なら、夢を追いかけて続けている音楽講師や、獣医になれなかった床屋は「ダメな人生」であり、夢を叶えてジャズ・ミュージシャンになるのが「良い人生」として描かれますよね。
最初は「ソウルフル・ワールド」も、そういう(ありがちな)サクセスストーリーなのかな?って思って観てたんですよ。
そうだとしたら、僕の心には響かず、この記事を書くこともなかったでしょう。
でも「ソウルフル・ワールド」は全く違いました。
ジャズ・プレイヤーとして、ドロシア・ウィリアムズとカルテットを成功させた日。
人生が変わると確信していたまさにその瞬間に、彼は虚しさを感じます。
不思議そうにしているジョーに、ドロシアが伝えた魚の話。
そこでジョーは気づきます。
結局、夢を追いかけても、それが当たり前の日常になってしまう。
臭くて陰気な地下鉄に揺られる繰り返しが、ジャズを演奏する繰り返しになるだけ。
夢を叶えること=人生のきらめきではなかったんです。
…ツラい!!!!!
多かれ少なかれ、大人がぶち当たる大きな現実が、そのまま映像化されてるんですよ。
どんな課題や目標を達成しても、それが当たり前になっていき、次の目標ができてしまう。
もちろん、達成感はあるでしょう。
でも、その繰り返しでは幸せになることは出来ないんです。
そして、ジョーは気づきます。
人生のきらめきとは「夢を叶えること」ではなく、何気ない日々を楽しむことだというとこに。
これが「ソウルフル・ワールド」が大人向けだと言われる理由じゃないでしょうか。
【子供向け】偉業を成し遂げなくたって生まれた意味はある
この映画に対しては「大人向けな映画」「子供をターゲットにしていない」という意見が多いです。
確かにその通り、前述したように、おっさんがジャズ・プライヤーを目指すストーリーは子供が喜ぶ要素が無さすぎる。
しかも、ジョーが気づくメッセージは、子供には渋すぎ。
でも、僕は子供にこそこの映画を観てほしいんです。
なぜなら、22番って多感な子供と同じ思考回路だから。
22番は、最初から「問題児」として登場します。
生意気で明るいキャラクターなので気づきませんでしたが、物語の後半で22番の心の闇に触れるシーンがあります。
人間界でやっと見つかりそうになった「きらめき」をジョーに奪われ、迷えるソウルとなった22番。
その心の中では、22番がこれまで数千年の間、偉人たちから言われ続けてきた言葉が、呪いのように積み重なっていました。
「わがままで無能」
「負け犬」
「世界は優秀な人間を求めているがお前は無能だ」
そして、極めつけは「空を見ることや歩くことがきらめきかも」と思い始めたときに、ジョーから言われた「そんなのは生活の一部だ」という言葉。
こうした言葉によって、22番は心にふたをし、迷えるソウルになってしまったんです。
これって、自分のやりたいことが見つからない子供が、周囲の大人に抑圧されている構図だと思うんですよ。
子供はどんなことに興味を持ってもいいし、持たなくてもいい。
空を見上げるのが好きならそれでいいし、歩くのが好きならそれを生かした仕事を見つければいい。
そうした自由な思考を奪うべきではないというメッセージもあるので、子供にもぜひ観てほしい作品です。
22番は「22番染色体」を意味している?
ここからはかなり個人的見解ですが「なぜ22番なのか?」ということを考察します。
ソウルの世界にいるソウル達は番号で管理されていて、映画中でメンターを選ぶときに呼ばれたソウルの番号が1082億1012万1415番。
これまで誕生した人類が、大体1000億人以上と言われているので、それに合わせた数字なんでしょう。
では、なぜ22番なのか?
本来人類として22番目に生まれてくるはずだった?とかいろいろ考えてみたんです。
占い師がよく使うソウルナンバーや、聖書とか神話もピンとこない。
「ソウルフル・ワールド」を除く、ピクサー長編作品が22作であるというのも理由の一つのようですが、もう少し具体的な理由がありそうな…。
そして行き着いたのが「染色体の番号じゃないか?」ということでした。
ヒト22番染色体は、性染色体を含めて23種類ある染色体の22番目で、最後の常染色体である。
専門的な話をすっ飛ばしてわかりやすくいうと、ヒトの染色体には番号が付けられているんです。(中学の理科を思い出してください!)
その中でも、たとえば21番染色体は「ダウン症」の原因遺伝子であることが知られています。
では、22番遺伝子とは何なのか。
所説ありますが「統合失調症」の原因遺伝子であると考えられています。
(※他にも原因はあるので、あくまで原因の1つ)
統合失調症は、こころや考えがまとまりづらくなってしまう病気です。そのため気分や行動、人間関係などに影響が出てきます。
症状は様々ですが、
- 自分の興味が定まらず考えがまとまらない
- 社会的または職業的機能が低下する
などの症状があります。
22番はまさにこうした症状があり、それによって数千年間もユー・セミナーを抜けることができずにいました。
「22番=染色体番号」というのは、あくまで僕の予想ではありますが、こうした理由で22番という数字が付けられているのかな~と考察しています。
まとめ:『ソウルフル・ワールド』は大人の価値観ぶっ壊し映画
「ソウルフル・ワールド」って、観る年代や状況によって、感じ方が変わる映画だと思います。
20代後半という、自分の可能性と人生についてある程度わかってきた僕としては、今後の生き方を考えるいいチャンスになりました。
晴れた日には幸せを感じ、友人の生い立ちに耳を傾け、日々に感謝する。
そういう何気ない生活をかみしめて生きていこうと思える素晴らしい映画でした。
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キャラクターが可愛いので喜ばれるはず。